便秘のタイプ別対策!MCTオイルで腸内環境を整えよう

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便秘の原因は様々ですが、食事の工夫で改善できることも多いと言われています。

最近注目されているがMCTオイル。 実は、腸内環境に影響を与える可能性があるのです!

今回は栄養士の長井さんに、MCTオイルと便秘の関係について解説していただきました。

 


 

 

便秘の3つのタイプ

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便秘とは何らかの原因で排便がうまくできないこと。日本内分泌学会では便秘の定義を「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」としています。

食べてから便として出るまで24時間から48時間かかるのが一般的で、毎日食事をしているならば毎日排便があることが通常なのです。
ですが、栄養指導をしていても便秘に悩まされている人はとても多いと感じます。女性は生理が始まる頃から、男性は60代以降便秘に悩むことが多いようです。

便秘は主に「弛緩性」、「痙攣性」、「直腸性」の3つのタイプに分類されます。

 

弛緩性(しかんせい)便秘

 

“弛”も”緩”も「ゆるむ」という意味です。
腸がゆるんで起きる便秘、つまり筋力の低下が主な原因です。
加齢や運動不足、食物繊維不足で起きます。高齢者に多い便秘ですが、若い人でも過度な食べないダイエットをしている人も弛緩性便秘になっている人がいます。

 

食物繊維は医学的には1日24g必要とされていますが、現代の日本人は平均で18.2g(20歳以上男女)であり、全く足りていないのが現状です。
繊維の多い野菜や未精製の穀類を食べる習慣がなかったり、食事を抜いている人はこの弛緩性便秘になりやすいと言えます。

 

痙攣性(けいれんせい)便秘

 

大腸が痙攣しておこる便秘です。

 

通常大腸は蠕動運動といってゆっくり波を打つように動いていて、その蠕動運動によって便がどんどん押し出されて排便を促します。ところが痙攣性の名の通り大腸が痙攣をしてしまい、過敏に動いてしまいうまく便が押し出されず留まってしまいます。水分が抜けて便が固くなってしまうので、腸を刺激し激痛が走るのがこの痙攣性便秘の特徴です。

ストレスや不規則な生活などで自律神経が乱れることが原因です。

 

直腸性(ちょくちょうせい)便秘

 

直腸とは大腸の出口部分でここに便が溜まってしまう便秘です。
下腹部あたりが固く押すと痛い方はこのタイプです。
不要物が大腸に届いて直腸あたりに到達したとき便意を感じます。その時に排便出来たらいいのですが、そのままがまんしてしまうとタイミングを逃してしまい、それが続くと感覚が麻痺して便意を感じにくくなってしまいます。つまりこの直腸性便秘はトイレに行きたくても我慢してしまう人、忙しくてトイレに行く時間を確保できない人に多い便秘です。

 

便の出口が塞がれてしまい水分がどんどん吸収されてしまうので便が固くうさぎの糞のようなコロコロ便が出る、また排便にとても時間がかかります。さらに出口が塞がれても不要物はどんどん大腸に送られてくるので大腸の中で腐敗が起こり便秘と下痢を繰り返すような方は直腸性便秘を疑います。
このようにひとことに便秘といっても様々なタイプがあります。栄養指導をしていると複合的に便秘になっている人も多いと感じます。

 

 

複合型の便秘について

 

【弛緩×直腸型】

社会人になって一人暮らしをはじめて、朝ぎりぎりまで寝ていたいからと朝食も摂らず、電車で便意を感じても行くことができない。また、会社でもトイレに行くことが恥ずかしく結局排便の機会を逃してしまう。便秘になると体も重いし運動もせず腹筋周りの筋力が衰えている人。

 

【痙攣×直腸型】

毎日仕事に家事に忙しくて体と心を休める時間がなかなか取れない。イライラすることが多く寝てもすっきり眠れた感じがしない。朝はけだるくコーヒーと気合いで起きる。トイレに行っても排便に時間がかかりいつも残便感がある。便秘薬や座薬で無理やり出してしのいでいる人。

 

便秘の原因はなにか?をしっかり見つめ、そのタイプにあった方法で便秘を解消していきましょう。

 

便秘に役立つMCTオイルの使い方

 

MCTオイルに含まれるカプリル酸(C:8)、カプリン酸(C:10)は抗菌作用があると言われています。便秘の場合、腸内環境が悪化している可能性があるため、MCTオイルを摂ることで大腸内の悪玉菌を減らし腸内環境を改善することが期待されます。

 

ただし、今の生活や食事を何も変えず、ただMCTオイルを摂っても決して改善には向かいません。まるでMCTオイルを薬のように「これさえ摂れば」と思っている人も少なくないと感じます。

 

タイプ別に便秘改善法を見ていきましょう

 

弛緩性便秘は繊維プラス

 

おすすめはりんご×MCTオイル
りんごを皮を剥かずに一口大に切り、電子レンジで加熱します。そこにMCTオイルとシナモンシュガーをかければかんたんデザートに。
りんごには食物繊維のほか、善玉菌のエサになるペクチンが含まれています。皮の部分に食物繊維が含まれているので皮ごとがおすすめです。
MCTオイルは腸の蠕動運動も促進してくれるのでりんごと一緒に摂って大腸の機能を高めましょう!

 

りんご: 1/2個
MCTオイル: 小さじ1
シナモンシュガー: 少々

 

痙攣性便秘はリラックス

コーヒーやハーブティー等温かい飲み物にMCTオイルをスプーン1杯
厳密に言うとコーヒーに含まれるカフェインは刺激物なので、よりリラックスのためにはカフェインが入っていないほうがベストですが、リラックスを促すために自分が好きな飲み物であるということも重要。無理してハーブティーよりは大好きなコーヒーの方がリラックスに向くこともあります。

 

この時、ゆっくり飲み物の香りを嗅いでみてください。深呼吸が自律神経を整えてくれますし、嗅覚は脳に直結しているため香りの効果でよりリラックスができます。

 

MCTオイルは胆汁の分泌を促し、脂肪を乳化して消化を促します。その過程で腸の動きが活性化し排便を促進します。時々おなかに激痛を感じる方は痙攣しているかも。意識的にリラックスタイムを取ってみてくださいね。
 
 

直腸性便秘にはマグネシウム

 

便意を感じない程がまんして麻痺してしまっていることにまずは気づいて

MCTオイルは潤滑油として排便をスムーズにしてくれます。おすすめ食材はアーモンド。アーモンドに含まれるマグネシウムは腸内で水分を引き寄せる性質があります。アーモンドを乾煎りし、MCTオイルをかけて全体に絡め、カレー粉やスパイス塩をまぶせば簡単おつまみに。お酒を飲む方はマグネシウムが消費されやすいのでお酒を飲むときにもおすすめです。

お通じは「お便り」。食事や生活習慣が反映しているお便りから繊維は足りてるかな?リラックスの時間取れてるかな?と見直してみてくださいね。

 

医師コメント 2

 

参考文献
日本内分泌学会『慢性便秘症診断ガイドライン2017』109(2)
厚生労働省『令和5年国民健康・栄養調査結果の概要』p.27
長井佳代『便秘の神様』(あさ出版)